【北大受験生必見!】北海道大学「物理」の入試対策を紹介!

もくじ

出題形式・試験時間
前年度の問題(2018年度)
出題の傾向と解析
北大物理の入試対策
過去問の傾向を年度別に徹底解説
北大物理対策のオススメ参考書
センター試験物理の出題・対策

出題形式・試験時間

出題形式:3題(力学1題・熱力学1題・電磁気1題)
※分野は2018年度の場合。年度によって異なります
試験時間:理科2科目まとめて150分(1科目ごとの時間は決められていません)

前年度の出題(2018年度)

問題 ジャンル 設問 内容 題材
1 力学 問1 空所に数式を補充する(3箇所) ばねのついた箱と、箱の中の球体の運動について
問2 空所に数式を補充する(8箇所)
問3 空所に語を補充する(1箇所)/論述問題(80字程度)
2 熱力学 問1 空所に数式を補充する(7箇所) 液体と気体の相変化と、気体の状態変化について
問2 空所に数式を補充する(4箇所)
問3 グラフを作成する
問4 空所に合う語句を選択(2箇所)
3 電磁気 問1 空所に数式を補充する(7箇所) コンデンサー回路について
問2 空所に数式を補充する(6箇所)/空所にあてはまるグラフを選択(1箇所)

出題の傾向と解析

2018年度の北大物理は、設問の細部に多少の変化はあっても、ほぼ例年通りといえる出題傾向でした。出題分野や、求められる知識、計算スピード、考察力など、いずれも大きな変化は見られませんでした。

出題分野は、例年、「力学」と「電磁気」の2分野が必出で、もう1分野は「熱力学」か「波動」からとなっています。2018年度は「力学」「電磁気」「熱力学」の3分野。設問は、空所にあてはまる数式を補充する問題のほか、80字程度で論述させる問題も出題されました。また、2018年度の設問の変化としては、2016年度と2017年度には出題されなかった「グラフを作成させる問題」が復活しました。

大問別に解説

まず、大問1の「力学」の問題は、標準的なレベルの問題でした。中でも、問1と問2は基本的な問題で、ミスなく確実に解答しておきたい問題。北大物理は問題文中の誘導が比較的丁寧であることから、さほど難度は高くないため、完答を狙いたいところです。問3は、「慣性力によって振動中心がずれる」ということに早めに気づけばスムーズに解けたでしょう。一方、状況の把握に手間取ったり、80字にまとめる論述問題に戸惑ったりした受験生も少なくなかったと思われます。こういった時間のかかりそうな問題は後回しにして最後に解くといった、「問題を効率よくための戦略」も重要と言えるでしょう。

大問2の「熱力学」の問題は、やや難度の高い問題でした。問1では、液体が蒸発する状況について考え、物質に与えられた熱がどう使われたかにポイントを置いて解くことが求められました。あまり馴染みのない出題だったかもしれませんが、前半の熱量計算をこなせば、後半は気体についての典型問題だったと言えます。問2の(8)は、気体の状態変化の問題で、気体のモル比熱やポアソンの式を用いた計算ができたかがポイントでした。また、(8)が解けないと(9)(10)もできない内容であったため、ここでつまずいて減点を重ねた受験生もいたかもしれません。こういった、減点の連鎖の可能性がある出題は2018年度に限らない出題傾向ですので、過去問などで対策し、注意しておきましょう。問3と問4は、標準的なレベルの出題で、確実に得点すべき問題だったと言えます。

大問3の「電磁気」は、問1がコンデンサー回路と静電エネルギーについての標準的かつ典型的な問題で、計算ミスさえしなければ完答をねらうことも可能な問題でした。問2は、コンデンサー収支についての標準的な問題で、「コンデンサーに電荷が蓄えられている」という設定を理解して、丁寧に計算していくことがポイント。また、(8)でつまずくと、それ以降も誤答を重ねてしまうリスクがあり、注意が必要でした。

北大物理の入試対策

北大の物理は、非常に難しい問題が出されることはなく、基礎から標準レベルの問題が中心です。多くの他大学と同様に、「力学」「電磁気」の分野が必出で、あとは「熱力学」か「波動」という出題です(「原子物理」は過去にわずかのみ出題されました)。

4分野ごとに、頻出の項目を挙げてみます。
◯力学:放物運動、単振動、円運動、衝突、摩擦など
◯電磁気:コンデンサー、電磁誘導、交流回路、荷電粒子運動など
◯熱力学:気体状態変化、熱力学第一法則など
◯波動:光波鑑賞、共鳴、屈折、ドップラー効果など

もちろん、頻出項目だけを重点的に対策すればよいわけではなく、高校物理の基礎をしっかり固めることが大切です。各分野の基本法則を理解していれば解ける問題が大半。逆に言うと、基本をおろそかにしたり、特定の項目の知識や理解にヌケがあったりすると、足元をすくわれかねないため注意が必要です。

処理力の精度とスピードが重要

ここ数年で見ると、出題の傾向や、形式、レベルは大きく変わっていません。一つひとつの設問の計算量はさほど多くありませんし、問題文には、答えに至るための誘導も丁寧に書かれています。また、奇抜な問題や超難問は出題されず、標準的な設定のもとに物理現象を解析・考察させる問題が多いため、物理基礎・物理の基本をしっかり理解しておくことで十分対処できるでしょう。物理の基盤を確実に固め、処理力の精度とスピードを十分に高めておけば、満点に近い高得点も不可能ではありません。

ただし、理科2科目合計で150分という制限時間を考えると、問題量はやや多め。ですから、もう1科目にかける時間も含めた時間配分や、確実に解ける問題を見極めて優先的に解いていくといった、合格ラインを突破するための戦略を立て、落ち着いて処理していくことが鍵となります。

慎重に的確に解くことが大事

出題形式は、空所補充問題がずらりと並ぶのが特徴的です。空所補充とはいえ、確かな処理力が求められるため、決してあなどれません。特に注意すべきは、最初の答えを間違うと、続けて間違ってしまう出題が多いという点。慎重に計算を処理し、正確に答えを導く力が求められます。また、北大の問題文は、文章の流れの中で、解答の道筋を示しながら解答へと誘導していくスタイルであるため、日ごろから、自分で論理立てた解答を作る実戦演習を積んでいたかどうかで、解きやすさに違いが出るでしょう。

また、分量は少ないものの、グラフ作成や論述問題も出題されます。基本レベルの出題ではありますが、記述・論述の対策をおろそかにしていると入試本番での点差につながるおそれがあるので、しっかり対策しておきましょう。

以上のことから、北大物理に求められるのは、まず、物理の基本的な知識と、計算処理力のスピード、正確性を身につけること。そして、空所補充問題においても、記述・論述問題においても、「知識を正しく用いて論理的に解く力」。北大側の、高校物理の基礎学力や考察力がきちんと身についているかを判断したいという意図がうかがえる出題と言えそうです。

数式の深い理解が必須

対策としては、当然ながら、高校物理の全範囲をしっかり固めること。北大物理が基礎〜標準レベルとはいえ、安易に丸暗記したり公式を当てはめたりするだけの対策では通用しないのは明らかです。まずは、物理の各分野について、基本的な法則の意味と使い方を押さえましょう。その際、数式がどのような基本原理に基づいているのかを深く理解することが大切です。その上で、典型問題を解き、「論理的に解答を導く力」を着実に養っていきましょう。

学校によっては、理科の全範囲が授業で終了しないといった場合もあるかもしれませんが、夏休みなどの長期休暇も活用しながら、計画的に対策を。必出の「力学」「電磁気」はもちろんのこと、「熱力学」「波動」もしっかり押さえ、「高校物理の基礎体力」と「論理的な解答力」を養っておくこと。奇をてらわない地道な積み重ねこそが、北大物理対策の近道といえるでしょう。

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過去問の傾向を年度別に徹底解説

北大の過去問について、2018年度から2015年度まで、過去4年分をさかのぼってみます。

年度による変化としては、2017年度から試験時間が変更されました。それまで理科2科目合計で120分であったのに対し、2科目で150分になりました。その分取り組みやすくなったというわけではなく、設問数が増え、込み入った計算が必要な問題も増えたことで難度が上がりました。しかし、2018年度には、複雑な計算問題はやや減ったため、2016年度までの難度や負担感と同程度に戻ったと言えそうです。

設問の変化としては、グラフに関する出題が挙げられます。2015年度にはグラフ作成問題が出題されましたが、2016年度は出題なし。2017年度には、グラフの作図問題ではなく、グラフの選択問題が出題されました。そして、2018年度はグラフを作成させる問題が復活しました。

このように、ここ数年で大まかな構成や出題方針に変更はありませんが、計算式の難易度や設問の形式は年度によってやや変わりますので、過去問は少なくとも5年分、できればそれ以上の年度分をこなしておくのがおすすめです。本番で、見慣れない設問や想定外の出題があっても、動じずに対処できる態勢を整えておきましょう。

次に、出題分野についてですが、細かな点に違いはあるものの、例年3つの分野から出題されています。「力学」と「電磁気」は必ず出題されていますので、重点的な対策を行いましょう。もう1つの分野は、この4年間では「熱力学」が3回、2016年だけが「波動」の出題でした(もっと以前に「原子物理」が出題されたこともありましたが、ここ数年では出題されていません)

年代別の分野解析

また、各分野の問題を年代別に見てみましょう(大問の順番は年度によって異なります)。

「力学」の出題
2015年度:力学的エネルギー保存の法則、衝突、放物運動、等加速度運動について(大問1)
2016年度:2つに分離する球体の運動について、力学的エネルギー保存の法則、鉛直面内の円運動(大問1)
2017年度:糸に結び付けられた小球の円運動、単振動、衝突、放物運動について(大問1)
2018年度:ばねのついた箱と、箱の中の球体の運動について(大問1)

「電磁気」の出題
2015年度:電流が磁場から受ける力、偶力のモーメント、つりあいの安定性について(大問2)
2016年度:磁場中の導体棒の運動(ローレンツ、電磁誘導)について(大問3)
2017年度:コンデンサー、発光素子を含む直流回路(非線形素子、過渡現象)について(大問3)
2018年度:コンデンサー回路について(大問3)

「熱力学」の出題
2015年度:理想気体の状態変化、モル比熱(大問3)
2016年度:出題なし(「波動」が出題された)
2017年度:ピストンで仕切られたシリンダー内の理想気体の状態の変化について(大問2)
2018年度:液体と気体の相変化と、気体の状態変化について(大問2)

「波動」の出題
2015年度:出題なし(「熱力学」が出題された)
2016年度:二次の原理(波の伝わり方、重ね合わせの原理、ホイヘンスの原理、光の屈折と分散)(大問2)
2017年度:出題なし(「熱力学」が出題された)
2018年度:出題なし(「熱力学」が出題された)

5年間でみると「波動」は1回の出題ですが、過去10年間でみると「熱力学」と「波動」は半々程度の率で出題されていました。4年連続で「熱力学」が出題された後に「波動」が出題された2016年度には、対策をおろそかにしていた受験生は、得点を伸ばすのが難しかったかもしれません。傾向はあくまで傾向であって、年度によって変化はありますので、「波動の二次対策は捨てて、熱力学だけに絞る」といった極端な学習は避け、「熱力学」と「波動」のどちらもバランスよく対策しておきましょう。

各分野の設問の傾向としては、立式や計算はもちろん、考察問題やグラフ作成問題などもあり、物理の総合的な知識と考察力、計算力が求められています。問題文は多めですが、解答への丁寧な誘導に沿って考えていけば、まったく手がかりが得られないということは少ないと思われます。

いずれの分野においても、標準的な問題を速く確実に解く力を養っておけば、十分対応できます。ただし、論述問題など、前後の問題と比べて難度の高い問題もあるため、ここで時間を取られずに、まずは解ける問題を確実に解くことが得点の鍵となるでしょう。

北大物理対策のオススメ参考書

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物理のエッセンス 力学・波動[四訂版]

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センター試験物理の出題・対策

センター試験の物理は、物理Ⅰの範囲からまんべんなく出題されるため、高校物理をしっかり対策しておけば解ける問題です。複雑な問題や難度の高い問題は出題されず、物理の概念を理解しているか、基本法則を適切に使って問題が解けるか、といった基本が求められます。

ただし、設問を注意深く読まないと失点の可能性がある問題も出題されるため、慎重に解き、確実に点数を重ねられるようにしましょう。時間に余裕をもって解けるよう、時間配分を行うことが鍵となります。

例年の出題構成

大問1:小問が5つ出題されます。教科書レベルの基本的な問題ですが、「高度において音の速さがどのように変化するか」といった、教科書範囲であってもあまり注力して理解していないような問題が出題されることがあるため、注意が必要です。見慣れない設問でも、ここで時間を費やしすぎないようにしましょう。

大問2:電磁気の分野から典型問題が出題されます。交流回路、コンデンサーに誘導体や金属板を入れる問題などが頻出です。

大問3:波+気体の分野から出題されます。光や波動の問題が大半ですが、気体の問題が出ることも。光の干渉、ドップラー効果など、よく出題される問題については対策しておきましょう。

大問4:力学の分野から典型問題が出題されます。エネルギー保存の法則や運動方程式といった、基本的な式が立てられるようにしておきましょう。

大問5:音または気体の分野から出題されます。基本レベルの問題が大半なので、確実に得点したいところです。

大問6:原子の分野からの出題です。覚えておくべき重要な語句の穴埋め問題が出題されるため、モレなく知識を押さえましょう。また、エネルギーの計算問題も出題されますが、基本レベルの問題なので、確実に解けるようにしておきましょう。

教科書を中心に勉強にすることが大切

北大はセンター試験の得点の配点比率が高く、「旧帝大」と呼ばれる国公立大の中ではセンター比率が高くなっています。また、北大物理の個別試験(二次試験)は基礎〜標準的な問題が多いため、センター試験の対策が個別試験対策にも役立つという一面もあるでしょう。

物理の概念をしっかり理解するには、まず、教科書をしっかり読むこと。センター試験は教科書範囲以外からは出題されないため、教科書でわからない範囲や知識のヌケがないようにしておけば、高得点がねらえます。また、物理の語句、用語について問われる問題もあるため、教科書を使って重要な語句、用語について知識を蓄えましょう。

そして、基本法則を用いて問題を解くには、センター物理の出題パターンをつかみ、実際に問題を解くしかありません。過去問や基本的・典型的な問題を集めた問題集で、「解法を正しく用いて正確に解く訓練」を重ねましょう。

そして、「ひっかけ問題」とも言える、センター物理の落とし穴に引っかからないよう用心を。つい間違えてしまいそうな選択肢がうまく作られていますので、安易に選択肢に飛びつかず、自分が問題文を読んで導いた解答と選択肢を見比べて、ミスなく選択できるように訓練しましょう。「ひっかけ問題がある」と意識した上で過去問で演習を詰み、それでも間違えた場合はどの部分にとらわれて間違えたのかを自分なりに分析することで、確実にミスを減らせるはずです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

ここまで北海道大学の『物理』試験の傾向と対策、過去問の解説、参考書の紹介をご紹介しました。

北海道大学の入試傾向や対策方法を把握した上で、自分の学力にあった参考書を使って対策をしていきましょう。 今回紹介した参考書が必ずしも全受験者に当てはまるわけではありません。入試本番までの期間や現状の学力によってカリキュラムを作成する必要があります。

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