北海道大学(北大)の「日本史」入試対策

もくじ

出題形式・試験時間
2017年度の出題
出題の傾向と解析
北大日本史の入試対策
過去問の傾向を年度別に徹底解説
北大日本史対策のオススメ参考書
センター試験日本史の出題・対策

出題形式・試験時間

出題形式:記述形式、論述形式 150点満点
試験時間:90分 

2017年度の出題

時代 テーマ 問題の種類
1 原始~明治 日本列島における農耕の歴史 選択問題2、短答問題8、空欄補充2、記述(30字)1、論述(60字)1
2 平安~室町 院政期および守護に関する問題 空欄補充4、短答問題4、字数指定記述3(40字×2、50字×1)、自由記述1
3 江戸 近世日本の国際関係 短答問題11、選択問題3、記述2(40字、45字)
4 明治~昭和 明治憲法体制と戦後民主主義
に関する問題
短答問題4、空欄補充1、空欄補充選択肢1、抜き出し1、
用語説明1、理由説明1、記述30字、自由記述1、論述2(80~100字)

 

出題の傾向と解析

論述問題の難度の高い最後の大問に、じっくり取り組む時間配分を

2017年の北海道大学の日本史の出題は、小問数57問、うち論述が12題で文字が495~535字+4行(自由記述)でした。試験時間が分に対して記述の分量が多く、時間的には厳しい出題です。特に最後の大問4に80~100字の長めの記述が2本入り、内容的にも難度が高くなっています。大問4が難しい傾向は例年続いているので、時間配分を考えておく必要があります。

時代的には、原始~戦後史までまんべんなく出題されています。時事的なテーマも必須と言えそうです。

大問1は、Aが弥生~奈良の農耕、Bが北海道の農耕がテーマでした。原始の短答問題などは基礎的な内容ですが、地元である北海道に関する問題は、細かい知識を問われる傾向があります。北海道の農業が、ヨーロッパではなくアメリカを手本とした理由の記述は、思考力を問われました。

大問2はAが保元の乱、Bが守護に関する問題です。論述も保元の乱の歴史的意義など答えやすい内容で、確実に得点したいパートといえます。

大問3は、琉球、挑戦、ロシア、アメリカ交渉とその関連事項です。朝鮮通信使の日本の記録である『海游録』と、ゴロウニンの『日本幽囚記』が取り上げられています。どちらも、近世の日本を外国人の目から見た、貴重な史料です。史料の読解力を問う穴埋めでは、ロシア人のゴロウニンが、日本には神聖な皇帝(禁令=天皇)と、世俗の工程(公方=将軍)がいると、語る下りです。ゴロウニンが幽囚された都市の名前(答は箱館)など、細かい知識を問う問題もありました。また、「冊封」を使う記述など、やや難しいものがありました。

大問4は、五箇条の御誓文、尾崎行雄の憲法観、普通選挙運動、天皇の人間宣言を取りあげた、憲政史の問題です。初見の史料が多く、とっつきにくさを感じた学生は多いかもしれません。史料を読解したうえでまとめる80~100字の論述が2題出されました。史料の年代から推測して「現在の歴史認識とどう違うか」を答える問題は、新傾向でした。

多種多様な論述テーマに素早く対応しよう

2017年度の記述の出題テーマは下記の通りです。

大問1

・場所請負制度の浸透とアイヌによる農耕の衰退との関係(30字)
・近代的な農業技術の導入にあたり、アメリカ合衆国が手本とされた理由(60字)

大問2

・保元の乱の頃に摂関家の実権が低下していた理由(40字)
・保元の乱の歴史的意義(50字)
・大犯三カ条の内容(各1行、計3行)
・観応の半済令の内容(40字)

大問3

・琉球国王から謝恩使が派遣される際の名目(40字)
・豊臣政権期の対外政策(45字)

大問4

・福岡孝弟の草案が由利公正の草案とは別個の案と言える理由(1行)
・帝国憲法制定の経緯について、尾崎行雄が示した歴史認識が現在の歴史教科書とは異なる点(80~100字)
・帝国憲法で定められた臣民の権利について、尾崎行雄の評価が現在とは異なる点(80~100 字)
・1920年に普通選挙が実現するとの予想が外れた理由(30字)


比較的答えやすいものもありますが、このように記述の数が多いため、記述への苦手意識があると突破は難しくなります。そのため、用語についての知識をまとめ、書き慣れておくことが何よりも大切です。今年度は、対外関係や戦乱の評価が問われました。

また、北海道関係の問題も多く、アイヌや明治政府による開拓も問われやすい傾向にあります。ここに関しては、詳しい参考書でプラスαの知識を入れておく方が有利です。

北大日本史の入試対策

長短さまざまな論述に対応するよう、記述問題は添削を受けて

北海道大学の日本史は、2010年度以降やや難化し、教科書では掲載頻度の低い用語も問われることがあります。掲載頻度が低いとはいっても、まずは教科書を読み込んで、歴史事項の流れを把握することは基本です。それができたら、参考書で知識の補強、広げていくのがよいでしょう。いつも使っているものとは違う教科書を読んでみるのもひとつの方法です。ここ数年は『詳説日本史研究』(山川出版)を読み込んでいれば答えられる問題が出題されました。

選択問題は一部で、短答式を含め記述が必要なので、歴史用語を正確に漢字で書くことが必須です。 また、史料の攻略もカギになります。日常的に史料を手元に置き、頻出史料はその都度確認しましょう。教科書に載っているような基本的な史料は、出典も含めて暗記するくらいの気持ちで読んでおきます。史料を読み慣れていると、初めて見る史料でもヒントを見つけやすくなるからです。初見の史料が多く出題される早稲田大学、中央大学の過去問を当たってみるのもいいでしょう。

歴史の流れを正確に把握することが大切

北海道大学の場合、問題は論述の攻略です。論述は10字~100字まで長短さまざまですので、日頃から用語の意味を書いてまとめる練習をしましょう。また、論述の基礎となるのは、歴史事項の正確な把握です。教科書を繰り返し読み、用語だけに注意するのではなく、どういった流れでその出来事が起こったのかを、頭に入れます。授業で聞いた内容を、短い言葉でまとめるのもいいでしょう。

過去問を解く時は、慣れないうちは教科書の該当部分を探して、そこを参考にまとめてみます。そうやってコツをつかんだら長めの記述に取り組んで、先生に添削を依頼すると確実です。史料を読解して論述させるものなど、取っ掛かりが掴みにくいものも出題されるので、過去問にあたって心構えをすることが大切です。模擬試験で出題された論述問題は、必ず復習することで実力を培います。


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過去問の傾向を年度別に徹底解説

2016年以降は、選択問題も登場。記述は合計500~600字

大問は例年4題の出題です。テーマは、

・2018年は「憲法十七条と古代中世の法/9世紀の社会」「古代~近世の家の由緒」「武家諸法度と江戸時代の政治」「近現代の日露・日ソ関係/昭和恐慌と農村」。

・2016年は「飛鳥時代の文化財/武士の台頭」「中世~近世の金銀銅をめぐる状況」「中村正直の生涯に見る幕末~明治の転換」「昭和戦前期の戦時統制/自衛隊と日米安保条約」

・2015年は「律令制下の政治・外交・教育機関/古代の土地制度史」「古代~中世の交通と都市」「原始~近世までの蝦夷・琉球/江戸時代の土地支配」「山形有朋から見る明治政治史/近現代の沖縄史」

時代別でみると原始~現代までまんべんなく出題されます。原始や昭和戦後史は出題されるときとされない時がありますが、対策は必要です。政治・社会・経済・外交・文化など全般に出題されますが、年ごとに見ると偏りがあります。2015年は社会経済史、2016年は政治史と文化史、2017年は政治史と社会・経済史、2018年は社会、経済、外交が中心でした。

地域色の強い、蝦夷・沖縄史が2017年、2015年に出題されているのも忘れてはいけません。2018年には、江戸時代の大名・松浦家にからんで、大学の所在地に関する問題が出ました。また、2015年には近年の時事問題が出題されています。

出題形式の変化

2016年まではすべて記述式(短答式含む)でしたが、2017年、2018年は選択問題も出されるようになりました。論述の文字数は合計で500~600字の間で、最大で100字をめどに考えるといいでしょう。また、記述に関しては、2016年度には、「あなたの考えを簡単に述べなさい」、2017年には「現在の歴史認識とどう違うか」という問題が出されています。史料を見て、その著者の見解を答えるなど、読解力が必要な出題も出されます。

例年、大問4は論述が難しく、2018年は昭和恐慌時の農民救済のための政策について史料を読み取って問題点を指摘するというものです。2015年は、『大東亜戦争回顧録』『官報』『世界と日本』など、議会と軍事に関する初見の史料を用いた論述でした。2014年度以降に難化傾向がみられるので、過去問はそれ以降のものを重点的に取り組むといいでしょう。

北大日本史対策のオススメ参考書

通史を理解してから、知識の補強をし、最後に論述対策を

日本史の学習は、通史を頭に入れる→用語の理解→記述対策の3ステップで完成します。

その目的にかなう3つの参考書をおすすめします。

『金谷の日本史「なぜ」と流れがわかる本 改訂版 原始・古代史』(ナガセ)




定番の参考書、「金谷の日本史」の2015年改訂版。「中世・近世史」「近現代史」「文化史」の4冊があります。歴史中のできごとを、因果関係を追って説明することで、単なる暗記科目ではなく生きた歴史となっています。そのため、今までバラバラに覚えていた断片も、大きな歴史の流れの中の動きとしてとらえることができるはずです。本の内容を70分にまとめたCDもついているので、日本史が苦手な人、急ピッチで仕上げたい人は繰り返し聞いて頭に叩き込みましょう。

『日本史B一問一答完全版』(ナガセ)




重要な日本史用語を空欄形式で出題。入試における頻出レベルを4段階で表示してわかりやすくしています。センター試験で問われるレベルはほぼ100%、難関国公立も95%をカバーしています。教科書や「金谷の日本史」で流れをつかんだ後は、これで力をつけるのが近道。数が多いので、どのくらい日本史の重きを置くかによって、カバーするレベルを選び、学習するほうが良いでしょう。

『“考える”日本史論述―「覚える」から「理解する」へ』(河合出版)




国公立大学の2次試験をターゲットにした論述問題集。論述39題、参考例7題が年代順に並んで、史料や指定語句を使うものなど、様々な形式が登場します。最初に「論述問題へのアプローチ」の章を読んで、注意点や解答作成のテクニックをおさえてから取り組んでみましょう。採点基準もわかりやすく掲載されています。

センター試験日本史の出題・対策

正誤問題を確実にとることが、高得点への近道に

センター試験の大問は、おおむね6問で構成されています。

大問1テーマ史、大問2古代、大問3中世、大問4近世、大問5近現代、大問6戦後史または人物史のような形が多く、古代から近世が6に対して、近現代4と、やや近現代に重きをおいた構成です。平均点はおおむね6割ですが、北海道大学の受験生は、8~9割以上取らなければなりません。難易度的には、レベルをしっかり理解していれば取れる問題が大半を占めます。難しい用語が出てきた場合も、消去法で答えが導き出せるでしょう。

ただし、図版やグラフ、史料の読み取りなど出題が多岐にわたること、紛らわしい正誤問題などもあるので、対策をしておきましょう。

問題形式としては、

・空欄補充
・時代整序問題
・正誤問題

が、代表的な形です。

補充問題

選択肢がなくても答えが出る基本的な問題が多いですが、特に文化史では紛らわしい人名や作品名が並んでいるので、正しく記憶することが大事です。

時代整序問題

古代なら100年、近現代なら10年単位を目安に、時代の流れを掴んでおくことです。ひとつひとつの出来事の年号を覚えるよりも、因果関係で流れをつかんだほうが、正答しやすいと思います。時代整序問題をいつまでも苦手にしているのは、歴史の流れが頭に入っていない証拠。教科書や参考書に戻って、ひっかかった場所をノートにまとめてみましょう。

正誤問題

正誤問題は、センターの出題の中でも約3割を占める出題形式。正誤問題の中でも、いくつかのパターンがあり、「正文選択問題」「誤文選択問題」「正文組み合わせ問題」「2つの文の正誤を判定する問題」などです。センターで高得点をとるには、この正誤問題の攻略が肝心になります。どのパターンなのか素早く見分けて、効率よく回答していきたいものです。

また、まれに出てくる教科書には出てこない史料の読解を問うパターン、地図上の場所を問うパターンは点差が付きやすいところです。

2018年のセンター試験では、土地制度に関わる出題として、「東大寺領糞置荘開田図」「伯耆国東郷荘の下地中分図」「検地仕法」「地券」と、時代の異なる4つの史料をみて、それぞれの史料の意味を述べる選択肢から正しいものを選ぶ問題が出ました。初見の史料でも、その時代の土地制度から推測して、正解を選ばなければなりません。

センター試験日本史勉強法

世界史とは違う、日本史で求められる深い理解

センター試験の日本史の受験者は、社会4教科の中でもトップです。センターでしか社会を使わない場合、「世界史よりも日本史のほうが覚えることが少なそう」と、考えて選んだ人が多いかもしれません。それは間違いではないのですが、油断は禁物。確かに日本史は、基礎的な知識の絶対量は少ないので、さらっと覚えるだけならあまり時間はかかりません。

ですが、世界史の場合は、おおまかな流れがつかめていれば、ひとつの国でのできごとをそれほど深く問われることはありません。対して日本史は関連してくる用語が多く、それらを理解していないと答えられないものが多くあります。一問一答だけでは対応できないのです。

バラバラの知識をどう整理していくか

日本史は覚えた知識をきちんと整理して、頭の中から取り出せるようにすることが肝心です。文化史であれば人物や作品を覚えているだけではなく、どんな時代のもので、どういう社会的背景から誕生したものなのか、そこまで覚えることが知識を整理をするということになります。

たとえば、鎌倉時代、室町時代、江戸時代で、幕府の中の役職や役割はどのように変わっているのか。単に執権や守護などの役職名を覚えるだけでなく、それが統治の仕方の変化にどう関わっているのかまで、覚える必要があります。

センターの日本史対策で大切なことは、まんべんなく全時代を学習することです。苦手な時代があれば、そこをつぶすことが大切です。そのためには、模試の結果を分析し、自分の苦手な時代やジャンル(外交史、文化史など)を洗い出すといいでしょう。

また、正誤問題などは正しい選択肢を選んだだけで満足するのではなく、誤っている選択肢は、どこを直せば正しくなるのかなど、疑問点を解消するよう努めます。

日本史で高得点をとるためには、マニアックな単語を覚えることは必ずしも必要ありません。ひとつの用語に関して、さまざまな事柄を関連づけて理解できる深い学習のほうが大事です。それができていれば、用語も自然に頭に入ってきます。そして、そういった学習は、二次試験の論述対策にもつながります。

入試に頻出なのは近現代。先取り学習で概略を掴んでおきたい

学習の進度についての注意点です。現役生は、直前期まで学校の授業が入試の範囲をカバーしていないことが、残念ながらよくあります。仮にセンター試験までに近代が終わっていても、近代以降はもっとも頻出な時代なので、そこから始めたのでは演習時間が足りません。学校のペースに合わせるのではなく、予備校や自習で近現代までをささっと進めてから、十分な演習時間を確保したいものです。

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