北海道大学(北大)の「生物」入試対策

もくじ

出題形式・試験時間
前年度の問題(2018年度)
出題の傾向と解析
北大生物の入試対策
過去問の傾向を年度別に徹底解説
北大生物対策のオススメ参考書

出題形式・試験時間

出題形式:大問四題の記述式問題
試験時間150分

前年度の出題(2018年度)

大問番号 出題内容 出題形式 難易度
免疫(抗体・MHC・TCR・拒絶反応) 空欄補充(8問)、用語記述問題(2問)、正誤選択問題(1問)、論述問題(100文字以上) 標準
糖の消化・代謝 空欄補充(7問)、用語問題(1問)、正誤選択問題(4問)、論述問題(35文字程度2問、100文字以内1問) 標準
植物の生活環・連鎖・組換え 空欄補充(選択式7問)、用語選択問題(3問)、計算問題(4問)、論述問題(20字) 標準
分化進化 空欄補充(2問)、用語選択問題(3問)、計算問題(6問)、用語記述問題(2問)、論述問題(50文字前後2問) やや難

出題の傾向と解析

毎年、大問4題出題されます。問題文は500~1000文字程度であり、その問題文に関連した小問が4~6問設けられています。2018年度も同様の出題形式で今後も継続される可能性が高いです。

試験時間は理科2科目で150分。したがって、理科1科目にかけられる時間は75分前後です。試験時間に対して問題の分量はやや少なく時間の余裕があるので、60~65分ほどで解答して残った時間で見直すか、生物に比べると物理や化学の方が時間的に厳しいので残った時間はそちらの科目にまわした方がよいでしょう。

出題範囲に偏りはほとんどなく、まんべんなく多くの分野から出題されています。
難易度は基礎的~標準的な良問が出題されますが、時々細かい知識を問われることもあります。

出題形式は、空欄補充問題、正誤選択問題、用語記述問題、考察問題、論述問題、計算問題がほぼ毎年出題されています。 合否のカギは不得意分野を作らずに、知識問題でできるだけ取りこぼさず論述問題・計算問題・考察問題でどれだけ解答できるかが結果に大きく影響するでしょう。

北大生物の入試対策

北海道大学の生物の問題は基本~標準的な問題が多く、これらの問題に正解することができれば医学部・獣医学部以外の学部には問題なく合格できるでしょう。医学部・獣医学部もほとんど正解できる人がいないような難問を正解できるようになるよりも、基本~標準的な問題をいかに取りこぼさないかが合否のカギになっています。

合格するための生物の目標ラインは、医学部・獣医学部は85%以上、歯学部・薬学部・農学部・理学部・工学部で70%前後、水産学部・医学部保健学科で60%前後を目指しましょう。

教科書、図説、資料集を完璧にするべし

基本は教科書と図説や資料集を熟読し理解することです。理解できない語句がある場合には、生物用語集などを使って徹底的に調べておきましょう。北海道大学入試の生物は基本的なものを問われる問題も多くそれだけで50~60%は得点できます。まずはどの教科書にも載っているようなことをしっかりと理解し多くの受験生が正解できるような問題を取りこぼさないようにしましょう。

教科書を読んでいても覚えられないという場合は、書き込み式の教科書などを使うのもよいでしょう。
また、実験機器や実験データが出題されることもあるので、学校で実習がある場合にはしっかりと参加して実験データの取り扱いにも慣れておくとよいでしょう。

基礎を固めてから難問に手をつける

基礎力を身につけたあとは問題演習を行いますが、いきなり難問ばかり掲載されている問題集を解くのはお勧めできません。まずは教科書で身につけた基礎的な知識がしっかりと身についているか確認できるような問題集から手をつけていくべきです。

最初に使う問題集は、生物基礎問題精講などのように色々な出題形式の問題が含まれている問題集を使い、基礎~標準的な語句の確認や論述問題へ慣れることが重要です。問題集は問題を解き解答を見て確認するだけではなく、問題の解説や説明もしっかりと読んで理解しましょう。

この基本的な問題集を2~3回解き直すだけで相当力が付くでしょう。
また、勉強だけではなく生物学に関係のある新聞記事やニュースにも普段から目を通す習慣をつけておくと、入試問題を解くのに役立つことがあります。

出題形式別対策

空欄補充問題

空欄補充問題はほぼすべての大問ごとに出題されていて、語句を直接記述する問題だけではなく選択肢から選択する問題も出題されています。問われている知識は標準的なものが中心ですが、時々教科書には載っていないような細かい知識を問われる問題も出題されることがあります。

文章中の空欄に入る語句を問われるだけではなく図の空欄に入る語句を問われる問題も出題されることがあります。 対策としては、教科書に載っているような語句はただ単に覚えるだけではなく図説を参照しその語句を自分で説明できるレベルまで勉強しておくとよいでしょう。

用語問題

生物学用語を答えさせられる問題が出題されています。難易度は標準的なものが中心ですが教科書には載っていないような細かい知識を問われる問題も出題されます。

対策は空欄補充問題と同様で、語句を覚えるだけでなくその語句を説明できるレベルまで勉強することです。教科書だけでは語句が理解できない場合は、生物用語集などを利用して納得いくまで調べておくとよいでしょう。

選択問題

選択問題は消去法で解答にたどり着けることもありますが、全て選択せよという問題も出題されるので正確な知識がないと正解できない問題もあります。

日頃からわからない語句が出てきたらこまめに用語集などで調べる習慣をつけておくことが望ましいです。

正誤選択問題

正誤選択問題は適切な選択肢を答えさせるだけの問題と、誤っていると判断した根拠や正しい語句を答えさせる問題も出題されています。根拠や正しい語句を問われる問題では正確な知識がないと正解できません。空欄補充問題対策と用語問題対策と同様に、標準的な語句は自分で説明できるレベルまで勉強しておくとよい正誤選択問題対策になります。

論述問題

20~50文字で答えさせる問題から100字以上で答えさせる問題まで出題されています。 難易度は教科書に載っているような基本的な内容から参考書などにも載っていなく見たことがあるひとが少ないと予想できる難しい問題まで出題されています。

20字程度で解答しなければいけない問題は、解答すべきポイントを押さえていないと難しいでしょう。 論述対策の問題集などを使って解答に必要なことをコンパクトにまとめる練習をしておいた方がよいでしょう。

またZ-KAIなどの通信添削講座や予備校の模試などを利用して自分が書いた解答を添削してもらうことも論述問題で高得点をとるためには必要なことでしょう。

計算問題

計算問題は遺伝分野を中心に出題されています。よく見かける計算問題の出題は少なく、問題文をよく理解することが必要な計算問題が多いですが、計算自体は簡単な問題が多いのでしっかり問題文を読み正解できるようにしましょう。

実験考察問題

考察問題も標準的なものが中心ですが難しい問題も時々出題されています。 実験考察問題を苦手にしている受験生が多いですが、そもそも実験考察問題の解き方を知らない人が多いようです。

実験考察問題が解けるようになるためには、与えられたデータを短時間で正確に分析する力を身につける必要があります。 データや問題文を自分が一番理解しやすいように箇条書きに整理することができれば問題を短時間で解くのに効率がよいでしょう。

また、実験考察問題は多くの問題を解くことにより実験考察問題を解くために必要な解答の流れを身につけることができます。実験考察問題対策の問題集を1冊解くとよいでしょう。

他理科科目の入試対策はこちら

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過去問の傾向を年度別に徹底解説

2017年度の問題

大問4題、試験時間は前年度まで理科2科目で120分でしたが2017年度から理科2科目で150分になりました。難易度は2016年度に比べるとやや易化して例年並みになりました。分量は昨年に比べて増えたが試験時間が増加したことを考えると例年並みの分量といえます。

2017年度の出題内容と出題形式と難易度

大問番号 出題内容 出題形式 難易度
胚の分化、自律神経系、筋収縮 空欄補充(3問)、語句選択問題(3問)、正誤選択問題(1問)、論述問題(2問、50字前後、60字以内) 標準
遺伝 空欄補充(4問)、用語記述(1問)、選択問題(1問)、正誤選択問題(1問)、論述問題(1問) やや難
窒素固定・同化、植物ホルモン 空欄補充(2問)、正誤選択問題(4問)、論述問題(60字以内) 標準
生態系、進化 空欄補充(1問)、選択問題(1問)、正誤選択問題(5問)、論述問題(40字以内)、グラフ作成問題(1問) 標準


出題範囲は全分野からまんべんなく出題されています。実験考察問題の比率が高くこの問題の出来が否のポイントになったと思われます。 空欄補充問題は標準的な知識しか問われていませんでした。論述問題も100文字を越えるような問題はなく50字前後の問題でした。

思考力が問われている問題は大問②と④で、特に大問②は実験4と図5、6の読み取りはやや難しいです。 合格のポイントは基本~標準的な問題を取りこぼさずに、やや難しい実験考察問題をどれだけ正解できるかによるでしょう。

そのためには、教科書と図説を熟読し基本的な語句を自分で説明できるようになるまで勉強しておくことが大切です。 また、論述問題や実験考察問題は問題集や添削講座を利用して解答作成に慣れることが大事です。

2016年度の問題

大問4題、試験時間は理科2科目で120分です。 難易度はここ数年では最も難しい年になりました。問題の分量は標準的でした。2015年度は大問④と⑤はどちらか一方を解答すればよい選択問題でしたが、2016年度は選択問題がなくなりました。

2016年度の出題内容と出題形式と難易度

大問番号 出題内容 出題形式 難易度
顕微鏡観察、細胞の構造、細胞骨格 空欄補充(2問)、選択問題(4問)、正誤選択問題(1問)、語句記述問題(2問)、計算問題(2問) やや易
神経回路 空欄補充(4問)、選択問題(2問)、図作成問題(1問)、計算問題(1問)、正誤選択問題(1問) やや難
細胞膜の透過性、生物の発生 空欄補充(4問)、正誤選択問題(3問)、語句記述問題(1問)、論述問題(30字以内) 標準
血縁度、包括適応度 空欄補充(6問)、語句記述問題(1問)、論述問題(3問)


2016年度は近年で最も難しい問題になりました。特に大問②と④は思考力が必要とされる考察問題であまりできなかった受験生が多かったと思います。 出題範囲は全分野からまんべんなく出題されていました。

大問別に解説

大問①はやや易しい問題が多く取り組みやすい問題でした。問2で分解能の細かい知識が問われていますが、問題文で分解能の意味が示されている上、普通に考えるとヒトの眼の分解能は1mmや1cmはありえないので(A)か(B)に絞ることができます。

さらに、普段使っている定規を思い浮かべると1mmの10分の1の距離にある2点は識別できるかもしれないが100分の1の距離にある2点を識別することは困難であると考えることができれば(B)と解答できてしまいます。光学顕微鏡と電子顕微鏡の分解能も単位ぐらいは知っておくことが理想かもしれませんが、生物の知識が無くても持っている知識を使って解ける問題もあります。

できるだけ多くの知識をもっていることはもちろん大切なことですが、その場で考える適応力も問題を解く上では大切になってきます。

大問②は空欄補充問題も細かい知識が問われています。活性電位のパターンを掴むのに少し時間がかかるかもしれません。
大問③は標準的な難易度で取り組みやすい考察問題でした。
大問④はやや思考力が必要な難しい問題で、論述問題も100文字を越える問題が2問出題されていました。

大問①と③では、いかに取りこぼしを少なくするか、大問②と④では正解できる問題を確実に正解することができるかが合否のポイントになったでしょう。 基本的な知識をしっかりと身につけ、論述問題や実験考察問題はできるだけ多くの問題を解き慣れることが大切です。

2015年度の問題

大問5題で大問④と大問⑤はどちらか一方だけ解答すればよい選択問題でした。試験時間は理科2科目で120分。分量は標準的でした。

2015年度の出題内容と出題形式と難易度

大問番号 出題内容 出題形式 難易度
発生のしくみ 空欄補充(5問)、正誤選択問題(2問)、論述(25字、50字、60字以内) やや難
光合成、吸収スペクトル 空欄補充(5問)、正誤選択問題(4問)、用語記述(1問)、論述(3問) 標準
翻訳、遺伝子突然変異 正誤選択問題(2問)、論述(2問)、用語記述(1問) 標準
分子系統樹、中立説 空欄補充(8問)、正誤選択問題(3問)、論述(3問) やや難
生態系、相互作用、物質循環、バイオーム 空欄補充(3問)、用語記述(4問)、論述(2問) 標準


計算問題やグラフを描く問題は出題されなかった代わりに、論述問題が多く出題されました。20字程度の記述式問題から100文字前後の記述問題まで出題されていたので例年に比べると時間の余裕がなかった受験生が多いようでした。

ここ数年の傾向ですが知識問題の割合が減っていき、考察問題割合が増えてきています。2015年度はまだ知識問題の方が多いですが、来年以降は考察問題の割合と逆転する可能性があります。

大問別に解説

選択問題の大問④と⑤では知識問題が多い大問⑤が取り組みやすかったと思います。 大問④では問題5は図と表がしっかり理解できていないと(1)と(2)の両方間違えます。(1)と(2)は同じ考え方で正解にたどり着けるので(1)ができた人は(2)もできたというひとが多かったでしょう。

大問⑤では問題6の記述問題の出来で差がつくと思われるが、この問題も基礎的な問題なので確実に正解できなくてはいけません。

大問①の問6、大問②の問7、大問③の問4、大問④の問5、大問⑤の問6の記述式問題の出来が合否を分けた問題だったと思われます。論述問題で問われていることは標準的なことが多いので問題で聞かれているポイントをまとめる練習を十分しておく必要があります。

北大生物対策のオススメ参考書

生物用語集(駿台受験シリーズ)

北海道大学受験生におすすめは、教科書と図説です。様々な参考書が出版されていますが教科書に勝る参考書はないでしょう。 語句の意味を理解しにくいときは、生物用語集(駿台受験シリーズ)で調べましょう。



生物基礎問題精講(旺文社)

また、問題演習は生物基礎問題精講(旺文社)がおすすめです。



この問題集は基本~標準的な問題が色々な出題形式で載っているので最初に解く問題集としてはちょうどよいでしょう。
この問題集を2度3度繰り返して解けば、医学部・獣医学部以外は戦えるようになります。

生物標準問題精講(旺文社)

受験で生物を得点源にしたい人には生物標準問題精講(旺文社)をおすすめします。



標準となっていますが難易度が相当高い問題も含まれています。この問題集を繰り返し解き直したらどの大学を受験したとしても生物を得点源にできるようになるはずです。

生物記述・論述問題の完全対策(駿台受験シリーズ)

論述形式の問題が苦手という人には生物記述・論述問題の完全対策(駿台受験シリーズ)がおすすめです。



この問題集が他の記述・論述問題集との一番の違いは採点基準が載っているということです。論述問題をひとりで解いている場合は、自分で作成した答えは解答と同じようには答えられていないがはたして何点ぐらい取れているのか?と思う受験生が多いと思います。

実際、記述問題で解答と全く同じ答えを書ける受験生なんてほとんどいません。しかしそれでも得点はもらえています。解答と同じように答えられるようになるまで勉強することは他の科目も勉強しなければいけない受験生にとって時間の無駄とも言えます。論述問題では8割を目指すような勉強をすべきです。そのためには採点基準が載っているこの問題集を解くのがよいでしょう。

また、実際に添削してもらえるZ-KAI難関国公立コースは自分の書いた答えでどのぐらい点数がもらえるのか、という疑問を持っている受験生の助けとなるでしょう。

過去問の活用法

過去問はおそらく受験生が一番解いている問題集です。もし過去問を解かないで過去に出題された問題の類題が出題されたら自分だけが類題を知らないという不利な状況になってしまいます。必ず過去5年分は解いておきましょう。

また、過去問をセンター試験後に初めて解きだす人がいますが、それではただ時間配分や問題形式を知るだけになってしまい、問題の対策をする時間がありません。どのような形式で出題されるのかを意識して勉強した方が効率がよいので、春頃には過去問に軽く目を通しておきどのような出題形式で出題されるかだけでも把握してから試験勉強に取り掛かかるようにしましょう。

本格的に解きだすのは夏の終わり頃から秋にかけてでよいですが、解いてみて正解率が低かった分野や出題形式があった場合には教科書をもう1度見直すか、問題集を使ってその分野や形式を勉強して克服するようにしましょう。

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